早口になってしまうときの、練習のしかた
早口は、意志の力で戦うべき欠点ではありません。ひとつひとつの音節に、乗るための一定のビートを与えることで、鍛え直せるクセです。
早口な人には、きっと心当たりがあるはず。「もっとゆっくり」と言われる、語尾が消える、そして時には、誰かが返事をする前に3文も先へ進んでしまう。自分の頭のなかでは効率よく感じても、聞き手にはただの「ぼやけた音」になってしまいます。うれしいのは、ペースは話し方のなかでもいちばん鍛えやすい部分だということ。しかも、直すのに「もっとがんばる」必要はありません。
速く話すほど逆効果になる理由
どの音を出すにも、舌・唇・あごが所定の位置につくための、ほんの一瞬が必要です。急ぐと、前の音を出しきる前に次の音節を始めてしまうので、語尾が切れて、すべてがつながってしまいます。「テキパキして切れ味がいい」ではなく、「聞き取りにくい」印象に——目指していたのとは正反対です。
直し方は「ゆっくり」ではなく「ビート」
「ゆっくり話して」は1文ももちません。どれくらいが十分ゆっくりなのか、自分では感じ取れないからです。メトロノームは、それを解決します。合わせるべき外側の脈を与えてくれる——1拍に1音節。だからペースは当てずっぽうではなくなり、ただ乗るだけのものになります。
やってみよう:1拍に1音節
ひとつの言葉を、音節ごとに1拍ずつ与えながら声に出して読んでみましょう。最初は、笑ってしまうほど遅く感じるはず——それでいいのです。このペースなら、ふだん飲み込んでしまう語尾も含めて、どの音にも出しきる余裕があります。ずっとこう話す練習ではありません。「出しきった」という感覚を、口に覚えさせているのです。
早口さんのための、5分ルーティン
自分が走り出していると感じたら、この短いループがペースをリセットしてくれます。1時間を一度きりではなく、ほとんど毎日、数分ずつ続けましょう。
- メトロノームを、ゆっくりで楽な段階に設定する——自然に感じるより遅めに。
- ひとつの言葉を、1拍に1音節で、3回通して読む。
- 同じペースで短い文をひとつ加え、どの拍にも乗っていく。
- 楽にできると感じたときだけ、テンポを1段階だけ上げる。
この最後のステップが大切です。ずっとゆっくりのままでいようとしているわけではありません。音を出しきる習慣をつくるためにゆっくり始め、そこからペースを少しずつ上げていく——はっきりした安定したリズムが、ただ当たり前の話し方になるまで。
ペースは、ひとりでに育っていく
何日、何週間とかけてビートが速くなるにつれ、1音ずつのぎこちなさは消え、あなた本来のリズムが戻ってきます。それでも、明瞭さはそのまま残ります。早口を直すコツは、これがすべて。無理にゆっくりにするのではなく、自分でコントロールできるペースをつくり、明瞭さのほうから自然にやってくるのに任せるのです。
Vocalioは、日常のスピーチ練習とセルフケアのためのアプリで、医療行為や言語療法ではありません。話し方や健康に不安がある場合は、専門の医療機関にご相談ください。